「マネジメント」は、「経営」や「管理」などと訳されます。そして、「マネジメント」とは、主に組織が目標などを達成するためのプロセスにおける「経営」や「管理」であると捉えられることが多いようです。では、具体的にどのようなことをするのが「マネジメント」なのでしょうか。
今回は、「マネジメント・サイクル」と「意思決定」についてのお話をしたいと思います。みなさんもよく耳にする言葉ではないでしょうか。
「マネジメント・サイクル」という言葉でまず思いうかぶのは、なんといっても「PDCAサイクル」ではないかと思います(Wikipedia「PDCAサイクル」)。
「マネジメント・サイクル」とは、「組織が目標などを達成するためのマネジメント(管理)手法」であり、「マネジメント」を考える場合には欠かせない概念です。「PDCAサイクル」はその代表的なものですね。また、「意思決定」とは、「目標などを達成するために、複数の代替案のなかからよさそうな案を選択すること」などと表現されています(Wikipedia「意思決定」)。そして、「マネジメント・サイクル」にも「意思決定」がともないます。
みなさんの会社(事務所、お店など)には、売上や利益などの目標があるのではないでしょうか。営業担当者には、それぞれの数値目標が設定されているかもしれません。また、採用や借入返済など、会社の状況によってはさまざまな計画がありそうですね。
きょうの会議で、みなさんの会社(事務所、お店など)の経営者がいいました。「みなさん、わが社では会社の成長のために、お客さんの数を増やすことが大切です!」
きょうだけではなく、その経営者は会議で毎回同じことをいっています。しかし、お客さんの数は増えませんでした。
ある日、みなさんの上司である部長がいいました。「利益を増やすために、わたしたちの部では経費を節約してください!」
その上司からは同じお話をなんどか聞いています。しかし、経費の節約はできていないようです。
とくに、中小企業の経営者や管理者などは自ら営業活動をしていたり、細かい事務作業をこなしていたりと時間的に余裕がないためでしょうか、このように「マネジメント」が意識できていないケースは意外と多いようです。
「PDCAサイクル」は、つぎの4つのプロセスをサイクルとしてくりかえすという管理手法です。
★P:Plan 計画
★D:Do 実行
★C:Check 評価
★A:Act 改善
さきほどの経営者や部長による管理の例では、まず「実行(Do)」するための「計画(Plan)」から考えてみる必要がありそうです。お客さんの数を増やしたり、経費を節約したりするための「計画(Plan)」です。
大きなプロジェクトにおける計画などでは、計画自体に複雑な要素が多く含まれてしまうようなことがあるかもしれません。しかし、その計画に対してみなさんがどのように行動するべきなのかがわからなければ、実行するのは難しいですよね。具体的な目標やそのための行動を明確にすることが必要です。もちろん、サイクルとしてくりかえすという管理手法ですので、PDCAそれぞれに要する期間を設定することも大切ですね。そして、この「マネジメント・サイクル」にも「意思決定」が欠かせません。
提携中小企業診断士 岩田 岳
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