わかりやすい経営コラム ~経営者の皆さまへ~
 

 part5「価格競争の要因①」

 たくさんの競合が存在する市場では、お客さんにとっての価値が同じであれば、たくさんの競合との価格競争に陥ってしまいます。

 需要に対して供給が極端に少ない商品は希少性が高く、なかなか手にいれることができません。その場合、商品の価値は高まります。その市場に存在する競合の数が多く、供給が極端に多い場合はどうでしょうか。価格競争になってしまいそうです。

 価格競争になる要因にはいろいろなものがありそうです。ほかにはどのようなものが考えられるでしょうか。

 商品の価格が上がったり下がったりした場合、需要も増えたり減ったりしそうです。これには、商品によって違いがあるのでしょうか。

 「需要の価格弾力性」という言葉があります(Wikipedia「弾力性」)。「需要の価格弾力性」とは、『価格の変化率に対する需要の変化率』のことをいいます。つまり、ある財の価格が変化したときに、その価格の変化に対してその財の需要がどのくらい変化するのか、ということです。

 X財とY財で考えてみましょう。下のグラフは、縦軸が価格(P)、横軸は需要量(Q)をあらわしています。右下がりの曲線は、X財の需要曲線(DX)とY財の需要曲線(DY)です。

 いま、同じP0の水準で売られていたX財とY財は、ともにP1まで価格が下落しました。これにより、X財の需要量はQX0からQX1に、Y財の需要量はQY0からQY1に増加しています。価格が安くなったことによって、X財とY財ではどちらの財の需要が大きく増加しているでしょうか。




 Y財にくらべて、X財の需要が大きく増加していることがわかります。この場合、「X財は、Y財よりも『需要の価格弾力性』が高い」ということができます(価格がP0であるときの需要量はX財よりY財のほうが多いので、このケースではより高くなります)。

 この「需要の価格弾力性」は、価格競争になる要因として考えることができるのでしょうか。


提携中小企業診断士 岩田 岳






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